けものへんに むし

本と食べ物と育児の話

読書週間2016 おすすめ本まとめ

ツイッターの「#読書週間だからRTといいねの数だけ好きな本を紹介しよう」タグまとめ。小説3冊、随筆1冊、絵本1冊を紹介します。 ノーライフキング/いとうせいこう/河出文庫 個人電話が普及し子供が独自のネットワークを築けるようになった世界。人気RP…

ひきうけた言葉

www.flickr.com 先週のお題が「一番古い記憶」だったので思い出したこと。 おそらく4、5歳の頃のことだと思う。 休日の朝、母が慌ただしく出かける支度をしていた。ついていこうとした私を玄関先で振り払い、「絶対に外に出ちゃだめ」ときつく言い、ドアの…

夜の読書

クーラーがきいた部屋で横になり本を読むのは幸せだが、夜中に窓を開け、虫の音を聞きながらの読書もいい。 やるのなら、八月も半ばを過ぎ、猛暑が落ち着いた頃がいい。 時間は22時以降。できれば日付が変わる頃が望ましい。 窓を開け、網戸越しに夜気を感じ…

はじめたこと/やってみたいこと

www.flickr.com 二ヶ月半ぶりの更新です。暑さで体調を崩したり、家のこまごまとした用事をしているうちにあっという間に時間がすぎてしまいました。書きたいことはたくさんあるのに時間がない。気づかないうちに、時間泥棒の被害にあっている気がします。 …

大人が急性中耳炎になった話

急性中耳炎になった。 中耳炎。子供の頃はクラスの誰それがかかったという話を聞いていたが、中学にあがる頃にはその名を聞かなくなり、大人になって忘れていた。 朝の家事がひと段落した午前10時すぎ。急にだるくなり、のぼせたので、熱を測ると38度あった…

セブンミールに助けられた話

www.flickr.com 少し前の話だが、姑が腰を痛めた。 立つのがやっとで、歩くのにびっこを引く。家のことをするのは難しい。 同居の舅は家のことは全くできず、お湯も沸かせない。「姑が指示を出して、舅が動くことはできるの?」と夫に聞いてみたところ、「家…

おしまい

「半年を過ぎているのだから、完全ミルクに切り替えても大丈夫ですよ」 検診で医師にそう言われ、あっけにとられたのを覚えている。 初めての子ということもあり、母乳で育てなくてはと、妙なプレッシャーを抱えていた。母乳の出が悪かったので、マッサージ…

カタログギフト

結婚式シーズンで出費がかさむ。 引き出物として頂いたカタログを見ていて、ファミリー向けの品が多いことに今更気がついた。 独身の頃は、食器セットや乾物、調味料セットに全く興味がなかった。食品のカタログから、酒のつまみになりそうな、日持ちのする…

乾燥肌とスマホの布団

「赤ちゃんの肌は乾燥しやすいですからね」皮膚科でそう言われて驚いた。 化粧品のコピーや美容雑誌には「まるで赤ちゃんのような肌」というフレーズが登場する。生まれたばかりの赤ちゃんはぷるぷるした瑞々しい肌をしている。その美しさは若さからくるもの…

扉の向こうに立つ女

口裂け女とは、1979年に小学生を中心に広まり、社会現象にまでなった噂話である。下校中の子供にマスクをした女が「わたしきれい?」と訊ねてくる。正しく答えなければ殺されるという話だ。 私が生まれたのは70年代後半。小学校に入学した頃にはとうに騒ぎは…

本を片手に酒を飲む

ゴールデンウィークだが、レジャーらしいレジャーの予定はない。一応、娘の顔を見せに双方の実家へ行くことが決まっているが、他にすることがない。 天気がいいようなので、衣替えや毛布の洗濯を考えているが、せっかく夫が家にいるのだから、娘をまかせて昼…

孫悟空ではないけれど

ドラゴンボールを読んでいた夫が真顔で「悟空のようになるのが目標だった」と言った。 宇宙最強の男になりたかったのかと尋ねたところ「違う」と即答された。 悟空が能力を活かし、どこででも生きていく姿を見て、自分もそうなりたいと思ったのだという。夫…

土になる日

www.flickr.com Cemetery(MIKI Yoshihito) 子供の頃、家庭に不満はなかった。経済的に満たされていたし、親が暴力をふるったり、理不尽な怒りをぶつけてくることもなかった。 私には弟がいる。弟は、周りの人からかわいがられるタイプの人間だ。 両親は弟…

スキマの話

暮らしの隙間(munechika tanaka)www.flickr.com 子供の頃、公園には遊具がたくさんあった。 その公園にしかない特別な遊具もあり、「あそこの公園にある巻き貝みたいな滑り台で遊ぼう」がちょっとしたイベントだった。 近所の公園には砂場とブランコ、滑り…

1歳、お気に入りの絵本

娘(1歳半)のお気に入り絵本。備忘録として。 もこもこもこ (ぽっぽライブラリ みるみる絵本) 作者: 谷川俊太郎,元永定正 出版社/メーカー: 文研出版 発売日: 1977/04/25 メディア: 大型本 購入: 9人 クリック: 81回 この商品を含むブログ (106件) を見る …

炊いたんのようなもの

花冷えが通り過ぎ気温が二十度を超えても、春の気候はうそ寒いものをはらんでいる。 背後から寒さに襲われ風邪をひいた。 高熱を出した時、まずはジャンクフードが欲しくなる。マックのポテトやモスのテリヤキ。チーズ、プリン、バニラアイス。濃厚で喉ごし…

水色ののっぺりとした空の下

sozaing.com スーパーを出て住宅街に入ると音がなくなる。 午前10時すぎの街は無人だ。 夫が出勤すると、娘は自分も外に出たいとぐずりだす。「私にはやらなければいけない家事があるんだよ」と諭しても、まだ言葉を話すことがままならない娘に伝わるはずも…

たまごサンド

サンドイッチと聞いて思い出すのが吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』である。路面電車が走る町に引っ越してきた青年の日常を淡々と描いた作品で、何もおこらないのに何かが起こっている不思議な物語だ。 トロワという名のサンドイッチ…

たぶん、もう手に入らない。

あの日(e_haya)www.flickr.com 就学前の私の遊び相手は、隣家の二つ年上のお姉さんだった。 当時の私が4歳。彼女は6歳。今思えば、まだお尻に卵の殻がくっついてそうな小さなお姉さんだった。 近所に同世代の女の子がいなかったため、私たちは毎日のよう…

よく作る野菜の常備菜メモ

蒸しブロッコリー ブロッコリーは茹でるより蒸した方がおいしい。 一番おいしいのは圧力鍋で蒸す方法。歯ごたえと香りが全然違う。 よく洗い、花蕾を一口大に切り分ける。茎は枝を落としてピーラーで皮を剥き薄切りに。 圧力鍋に水200mlを入れ、蒸し台を設置…

ブログ再開しました

この春、年末に開設したブログを再開した。 三日坊主どころか二日しか書かずに放ってある。飽きっぽさがあらわれているなと思う。今週のお題特別編「この春に始めたいこと・始めたこと」 〈春のブログキャンペーン 第2週〉 というテーマがあるので、このブロ…

春の都電

昔から、ものを考えるのが面倒になるとバスや電車に乗りたくなる。ありふれた町並みをぼんやりと眺めているだけで、頭の中のもつれた糸がほどけてゆくからだ。 その日も、やらなければいけない事と感情がこんがらがり、都電荒川線に乗った。 日比谷線の三ノ…

魔女の薬

子供の頃、祖母の家に遊びに行くと、よくオロナミンCが出てきた。 祖母は「栄養がつくから」と、しきりに飲ませたがった。今思えば、孫を喜ばせ、孫のためになることがしたいという気持ちのあらわれだったのだと思う。 ジュースのように甘いのに、ジュース…

ブロッコリー

料理をしていると、食材が、はっとするほど美しく見える時がある。美しいと感じた時に手を止めると、とても美味しくいただける。 ブロッコリーを蒸す時に、特にそう感じる。 深めのフライパンに水を注ぎ、蒸し皿を敷く。蓋をして、強火にかける。その間に、…