けものへんに むし

本と食べ物と育児の話

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

土になる日

www.flickr.com Cemetery(MIKI Yoshihito) 子供の頃、家庭に不満はなかった。経済的に満たされていたし、親が暴力をふるったり、理不尽な怒りをぶつけてくることもなかった。 私には弟がいる。弟は、周りの人からかわいがられるタイプの人間だ。 両親は弟…

スキマの話

暮らしの隙間(munechika tanaka)www.flickr.com 子供の頃、公園には遊具がたくさんあった。 その公園にしかない特別な遊具もあり、「あそこの公園にある巻き貝みたいな滑り台で遊ぼう」がちょっとしたイベントだった。 近所の公園には砂場とブランコ、滑り…

1歳、お気に入りの絵本

娘(1歳半)のお気に入り絵本。備忘録として。 もこもこもこ (ぽっぽライブラリ みるみる絵本) 作者: 谷川俊太郎,元永定正 出版社/メーカー: 文研出版 発売日: 1977/04/25 メディア: 大型本 購入: 9人 クリック: 81回 この商品を含むブログ (106件) を見る …

炊いたんのようなもの

花冷えが通り過ぎ気温が二十度を超えても、春の気候はうそ寒いものをはらんでいる。 背後から寒さに襲われ風邪をひいた。 高熱を出した時、まずはジャンクフードが欲しくなる。マックのポテトやモスのテリヤキ。チーズ、プリン、バニラアイス。濃厚で喉ごし…

水色ののっぺりとした空の下

sozaing.com スーパーを出て住宅街に入ると音がなくなる。 午前10時すぎの街は無人だ。 夫が出勤すると、娘は自分も外に出たいとぐずりだす。「私にはやらなければいけない家事があるんだよ」と諭しても、まだ言葉を話すことがままならない娘に伝わるはずも…

たまごサンド

サンドイッチと聞いて思い出すのが吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』である。路面電車が走る町に引っ越してきた青年の日常を淡々と描いた作品で、何もおこらないのに何かが起こっている不思議な物語だ。 トロワという名のサンドイッチ…

たぶん、もう手に入らない。

あの日(e_haya)www.flickr.com 就学前の私の遊び相手は、隣家の二つ年上のお姉さんだった。 当時の私が4歳。彼女は6歳。今思えば、まだお尻に卵の殻がくっついてそうな小さなお姉さんだった。 近所に同世代の女の子がいなかったため、私たちは毎日のよう…

よく作る野菜の常備菜メモ

蒸しブロッコリー ブロッコリーは茹でるより蒸した方がおいしい。 一番おいしいのは圧力鍋で蒸す方法。歯ごたえと香りが全然違う。 よく洗い、花蕾を一口大に切り分ける。茎は枝を落としてピーラーで皮を剥き薄切りに。 圧力鍋に水200mlを入れ、蒸し台を設置…

ブログ再開しました

この春、年末に開設したブログを再開した。 三日坊主どころか二日しか書かずに放ってある。飽きっぽさがあらわれているなと思う。今週のお題特別編「この春に始めたいこと・始めたこと」 〈春のブログキャンペーン 第2週〉 というテーマがあるので、このブロ…

春の都電

昔から、ものを考えるのが面倒になるとバスや電車に乗りたくなる。ありふれた町並みをぼんやりと眺めているだけで、頭の中のもつれた糸がほどけてゆくからだ。 その日も、やらなければいけない事と感情がこんがらがり、都電荒川線に乗った。 日比谷線の三ノ…